速く走ってばかりでは長く走れるようにならないワケ

走力をアップしたいと速いペースばかりで走っていませんか?人間のカラダは負荷を与えることでそれに耐えるために強化されます。そのため、負荷を与えることは間違いではありません。しかし、負荷をかけ続ければいいかというとそういうことではありません。もし、それだけの要素で長く走れるようになるのであれば、一番負荷をかけた人が1番になれるはずですが、そうではないですよね。

 

今回は、速く走ってばかりでは長く走れるようにならないワケとトレーニングの仕方についてお伝えしようと思います。

 

運動には有酸素運動と無酸素運動の2種類がありますが、ランニングはどちらの運動でしょうか?また、速く走った場合はどちらの運動要素が強くなると思いますか?

 

ランニングは有酸素運動ですね。そして、速く走った場合は無酸素運動の要素が強くなります。この文章だけでお気づきになられた方もいるかもしれませんが、速く走ってしまうとランニングに必要な有酸素運動が鍛えられないということなのです。

 

有酸素運動と無酸素運動をもう少しわかりやすく例えてみます。キャンプやBBQでの火起こしをイメージしてみてください。火を起こすために、着火剤を使うと思います。これらは良く燃えますよね。しかし、一瞬で消えてしまいます。一方で、まきはというと火力は弱いですが長い時間燃え続けます。カレーを煮込むときに、着火剤のように火力は強くても一瞬で消えてしまうような火では煮込めませんよね。まきや炭で長時間燃え続けている必要があります。

 

この着火剤が速いペースで走ったときの無酸素運動、まきや炭がランニングをしている有酸素運動になります。

 

ランニングのパフォーマンスを上げるためには、着火剤をバンバン使って火をおこし続けるのではなく、まきや炭を長時間燃やし続けることが必要になります。

 

有酸素運動と無酸素運動を踏まえた詳しい説明はこちらの動画で解説しておりますので、ご覧ください。

 

長く走れるようになるトレーニングの2つのポイント

 

1,ゆっくりペースで走る

LSD(ロングスローディスタンス)という練習を聞いたことがあると思います。長い距離をゆっくりペースで走る練習です。ここでいうゆっくりペースとは、呼吸が全く上がらないペースです。タイムだと個人差がありますが、私は8分~10分/kmくらいで行っています。

 

そうすることで、毛細血管が発達し、体内の血液量が増えます。その結果、体内に溜め込める酸素量が増えますし、カラダの隅々まで酸素を送ることができるようになります。有酸素運動は字のごとく、酸素を使ってエネルギーを生成するわけなので、酸素が不足してしまうとエネルギーの生成が追い付かず、無酸素運動に切り替わってしまいます。無酸素運動になると長時間のランニングは難しくなります。

 

LSDの実施時間は、30分以上、90分以内がオススメです。夏場の暑い時期は30分~60分、冬場の寒い時期は60分~90分と気温・湿度・体調に合わせて無理なく行うようにしましょう。

 

2.ちょっときついなというペースで走る

全力ではなく、息もゼーゼーハーハーとまでは行かない、ちょっと苦しいかなというペースです。実際に走ってみての感覚としては、20分経った時に本気を出したらあと1,2kmは行けるけど、もう止まりたいなという感じです。この練習をLT閾値走と言います。

 

このペースで走ると、乳酸性閾値が上昇します。速いペースで走ると乳酸が多く出ます。乳酸はエネルギー源なのですが、エネルギーに変えるためには大量の酸素が必要になり息が上がります。

 

ちょっときついなというペースはちょうどこの乳酸が多く出る境になります。その境のペースで走ることで、乳酸が多く出る境、要は乳酸性閾値が上がっていきます。結果として、速いペースでも長い距離走れるようになるというわけです。

 

このペースというのがなかなか難しいのですが、ひとつの指標としてジャックダニエルズのランニング計算機というものがあります。算出された結果の「Threshold」という項目に表示されているタイムで20分間走るようにしてみてください。ただし、夏場と冬場ではタイムが異なります。気温の設定項目もあるので、そちらをしっかりと入力して算出してください。オーバーワークになり故障の原因となりますので。

 

ランニング計算機の使い方についてはこちらを参考にしてください。

 

最後に

速く走ることが目的ではなくてもどうしても速く走ってしまいがちではないでしょうか?速く走ることって気持ちがいいですよね。なので、速く走ることをやめましょうということではありません。しっかりと目的を持って速く走るのであればランニングパフォーマンスは上がります。

 

やってはいけないことは、速く走ることが好きではない、または速く走りたい気分や体調ではないのに、走力を身に付けたいがために速く走ること、また、速く走るトレーニングばかり実施することです。

 

私の生徒さんに足の痛みでしばらくの期間満足に走れず、ゆっくりジョグで走りながら回復をした方がいらっしゃいます。その間、速く走っていないにもかかわらず、足の痛みがなくなってから力を入れて走ってみると、前より速く走れるようになっていました。暑くなってきたので長い距離が走れていませんが、おそらく走れる距離も伸びているはずです。

 

ゆっくりジョグを続けたことで、毛細血管が発達し有酸素運動能力が向上したものと思われます。

 

速いペースで走らなければ走力は上がらないとお考えの方やタイムの伸び悩みを感じている方は是非、「ゆっくりペース」と「ちょっときついなというペース」でのトレーニングを日々のトレーニングに組み込んでみてください。

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悩み事に大きいも小さいもありません。些細なことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。あなたのココロが軽くなるよう丁寧にアドバイス致します。

 

 

 


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ラングリット | 静岡

自信回復ランニングプランナー

古畑 健太