ランナーの約8割の方が、ひざの内側、外側、お皿、裏側のいずれかに痛みを感じたことがあったり不安があるという調査結果があります。その痛みの要因は、オーバーユースに伴う障害です。要は使いすぎということです。なので、使いすぎなければ痛みが出なくなります。
走っている距離が長いからオーバーユースなのかというとそうではないのです。練習強度が高いからオーバーユースなのかというとそうでもないのです。どれだけ負担をかけて使っているかということです。
走っている距離が長くても、練習強度が高くても、ひざへの負担が少なければ痛みは出にくくなります。当然、ひざへの負担のかかり方が同じであれば、距離が長く、強度が高くなれば痛みが出るリスクは高まりますが。しかし、一般市民ランナーであれば、距離や強度でそこまで追い込める方はいないと思うので、ひざの痛みの原因のほとんどはランニングフォームにあります。
ひざに負担がかかる状態とはどのような状態だと思いますか?
それは、「ひざが曲がっている状態」です。着地すると地面から反発力を受けます。その反発力は前へ進む推進力になるのですが、ひざが曲がっているとそこで反発力が吸収されてしまいます。吸収するということは負担がかかるということです。
ひざを曲げない走り方に変えるポイント
ひざは、腰よりも前に足を着こうとすると曲がりやすくなります。当然、無理やりひざをピーンと伸ばしていれば、腰よりも前に足を着いてもひざは曲がりませんが、太ももの前でブレーキをかけながら走る事になり効率が良くありません。それに、太ももの前の筋肉がつかれてしまい長い距離が走れません。
しっかりと腰の下で足を着くようにするとひざが伸びやすくなります。地面からの反発力がひざで吸収されなくなり、ひざへの負担が減るとともに、反発力が頭の方へ抜けていくイメージになります。この状態で前傾姿勢を取れば、自然と前に進んでいくというワケです。
腰の下で足を着くという意識にするだけでひざが伸びやすくなるのですが、伸ばさなければと意識しすぎてしまうのも良くありません。わかりにくいかもしれませんが、下の2枚の写真でひざの伸び方の違いがお分かりになりますでしょうか?
上側の写真は、足の筋肉を使ってピーンと張った状態です。ひざカックンされると「カクッ」といってしまうような状態です。
下側の写真は、くるぶしとひざの上に腰を乗せているというイメージです。空き缶をまっすぐ積むと倒れないのと同じです。無駄な力を入れずに自然とひざが伸びている状態です。この状態で走る事で自然と必要な分だけひざが曲がり、それが推進力に変わるのです。
自然とひざが伸びている姿勢を作る方法
腰の下で足を着くように意識をすると同時に意識しなければならないことは「姿勢」です。頭、肩、腰、ひざ、くるぶしを一直線にした姿勢を作る必要がありますが、これを走りながら実施するのは効率が良くありません。まずは、止まった状態でしっかりと姿勢を作る必要があります。この姿勢を「ベースポジション」と言います。
まずは、この姿勢を30秒ずつキープできるようにしましょう。ひざを伸ばす際、太ももの前の筋肉を使ってしまうとひざカックンされてしまうような状態になってしまいますので、お尻の筋肉である大殿筋を使って姿勢を作ります。太ももの前を脱力したまま、お尻に力を入れるというこの感覚がわからないという方は、いろいろと力の入れ方を試してみてください。
最後に
一部分を脱力しつつ、一部分の力入れるという動きは運動神経によるものです。いろいろと試してみることで新たな運動神経回路が形成されます。その回路はすぐにはできません。コツコツと続けていくことが必要です。
ほとんどの方が走り方は教えてもらったことが無く、感覚で走っていたり、自分で調べて試したりしていると思います。今までの運動経験などにより、すでに運動神経回路が形成されていて、知ることでできてしまう方もいれば、知ることができても、運動神経回路が形成されていないのでできない方もいます。
どちらにしても、知ることができなければ先へは進めません。逆に言えば、知ることができればやるべきことができて前へ進むことができます。
トレーナーがいれば情報を得ることができます。トレーナーがいれば一人では続かないことでも続けることができます。一人で悩まれていて行動できないのであれば、トレーナーに頼ってみてはいかがでしょうか?
少しずつでも正しいことをコツコツと続けていくことができれば、ひざの痛みに悩むことなく楽しくランニングを続けることができるようになります。
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悩み事に大きいも小さいもありません。些細なことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。
あなたのココロが軽くなるよう丁寧にアドバイス致します。