ランニングをするうえで意識している部位はどこですか?
膝が痛くなったり、着地の仕方がわからなかったりと下半身の意識が高いのではないでしょうか?
2017年のランナー世論調査(株式会社アールビーズ調べ)によると、ランニングによって痛みを抱えている部位のほとんどが足です。
足は唯一地面と接地する部分で、全体重がかかり負荷が高いので痛みが伴いやすいのです。その為、下半身の意識が高くなり、筋トレやストレッチも下半身がメインになりがちではないでしょうか。
しかし、ランニングは下半身より上半身の方が重要なのです。
たとえば、速く腿上げをしてみてください。その速さよりも腕振りを遅くすることはできると思います。しかし、その逆で腕振りを速くし、その速さよりも腿上げを遅くすることはできないと思います。腕振りが足の動きをコントロールしているのです。
また、猫背にした状態で走ってみてください。腰が落ち、膝が曲がります。小さなスクワットをしている状態になり、太ももの前(大腿四頭筋)が疲れてきます。体幹を使って姿勢をまっすぐに維持することができれば、猫背にならず足への負担を減らすことができるのです。
スピードのコントロールは足ではなく腕振りで行い、常に体幹を使って姿勢をまっすぐに維持することが重要です。このどちらも上半身ですよね。上半身を意識することで、下半身に出てくる問題の発生を抑えることができます。
そこで、ランニング初心者でも無理なく行える筋力トレーニングメニューについてお伝えしたいと思います。
ランニング初心者向け上半身を鍛える筋力トレーニング
以下の筋トレにより、腕振りに必要な腕力と肩甲骨周りの筋力、姿勢を維持し続けられる体幹、腿を引き上げる大腰筋を効率よく鍛えることができます。
1.大胸筋、脇、上腕三頭筋に効果的な筋トレ
2.僧帽筋、広背筋、脇、上腕三頭筋に効果的な筋トレ
3.大腰筋に効果的な筋トレ
1.大胸筋、脇、上腕三頭筋に効果的な筋トレ
手のひらを合わせて30秒間押し合います。
腕振りを続ける為に必要な持久力と、姿勢を保ち、呼吸を深く吸い込む為に必要な胸周りの筋肉を鍛えることができます。
2.僧帽筋、広背筋、脇、上腕三頭筋に効果的な筋トレ
指をひっかけて30秒間引っ張ります。
肩甲骨回りの筋肉を鍛えることで、肩甲骨を動かしやすくなり、長時間の動きにも耐えられるようになります。
同じ動きを頭の上で行います。
背筋により刺激を入れることができます。
3.大腰筋に効果的な筋トレ
前傾姿勢を保つための体幹と足を振り上げる際に必要な大腰筋を鍛えることができます。これにより、長時間走っても崩れないフォームを作ることができます。
ポイントは筋肉を伸縮させないこと
上記の筋トレの特徴は、筋肉を伸縮させないということです。このようなトレーニングを「アイソメトリックストレーニング」と言います。※アイソ(等しい)、メトリック(長さ)
動かないものに対して力を発揮している状態です。初心者でも無理なく行える理由は2つあります。
◆動作がないので関節を痛めない
◆筋力が無くても始められる
伸縮させる筋トレは筋肉を鍛える効果があります。ただ、筋力が無く伸縮することができなければいつまで経っても鍛えることができません。
例えば、腕立て伏せが1回もできないと伸縮が発生しないので鍛えることができないのです。しかし、伸縮させない筋トレは筋肉を使えるようにする効果があります。実施してみるとわかると思いますが、広い範囲で疲れます。広い範囲に刺激が入り使えていない筋肉が使えるようになります。
100の力を出すために、1か所の筋肉を鍛えて1を100にするよりも、今ある筋力のままでも100か所使えるようにするほうが安全で効率的なのです。伸縮させる筋トレは100か所使えるようになってから実施すると効果的です。
上半身を鍛えて、ケガを気にせず安心して走り続けられる土台を作りましょう。