ロングランを可能にするBCAAの秘密とは

 

長時間走るためにはエネルギーが必要です。そのエネルギーを生成する方法はいくつかあるのですが、その一つとしてBCAAというものがあります。BCAAは20種類程あるアミノ酸の中のバリン、ロイシン、イソロイシンという必須アミノ酸の総称です。このBCAAの効果を理解することでロングランが可能になります。

 

BCAAはカラダのある部分を分解して作り出しますが、なんだと思いますか?

 

それは、筋肉です。

 

運動に必要なエネルギーは、筋肉や肝臓に蓄えられているグリコーゲンから生成します。しかし、グリコーゲンが不足すると筋肉を分解しBCAAを生成し、エネルギーを生み出します。筋肉を分解するわけですから、筋力は低下していきます。エネルギーは生み出せても筋肉は疲労してしまう為、走れなくなってしまいます。

 

では、どうしたらよいでしょう。

BCAAを摂取し、血中のBCAA濃度を高めておけばよいのです。

 

BCAAは細粒のものやゼリータイプのものがあります。それらを、運動する30分前に摂取します。30分で血中のBCAA濃度はMAXまで高まります。2000mg以上摂取することで、2時間(MAX時からは1時間半)は持ちます。ハーフマラソンやフルマラソンで2時間以上走り続ける場合は、スタートしてから1時間半後に切れますので、1時間後に追加で摂取する必要があります。このように摂取をしておけば、筋肉を分解せずにエネルギーの生成を行うことができるのです。

 

また、血中のBCAA濃度が低下すると、トリプトファンというアミノ酸の濃度が上昇します。このトリプトファンは脳内でリラックスする物質に変換されてしまいます。集中力がかけた状態になるということです。走っていて集中力がなくなってきたなと感じたらBCAAが不足しているかもしれません。そうならない為にも、早め早めでBCAAを摂取しておくことが重要です。

 

BCAAは、アミノ酸です。タンパク質もアミノ酸で構成されています。よって、BCAAはランニング後の筋肉の修復にも効果があります。ランニング後はプロテインでいいのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。その通りなのですが、その効果には違いがあります。

 

BCAAの方がプロテインより吸収が早いため即効性があります。しかし、筋肉の回復には時間がかかりますので、長い時間供給された方がいいわけです。よって吸収率の遅いプロテインと併用すると効果が倍増します。ただし、そこまで即効性を求めなくてもよいかと思います。BCAAはプロテインに比べると単価が高いものになりますので、毎回摂取するのは大変だと思います。ハーフマラソンやフルマラソン、少し強度の高い練習をしたときに摂取することをオススメします。

 

ランニングは根性で走るというイメージをまだまだ拭えません。集中力が切れたり、足が動かなくなったりは、しっかりとした根拠があり、それは根性だけではどうすることもできないのです。

とはいえ、気持ちも大事な要素です。最後の最後で根性が使えるよう、科学を取り入れて、パフォーマンスを上げていきましょう。