ランニングを始めたばかりの方でランニング後にタンが絡んだり、せきがツラいなんてことありませんか?「体質だから仕方がない」と諦めてしまっているのではないでしょうか。
中には重度の「運動誘発ぜんそく」という方もいらっしゃるかもしれませんが、そこまでではないという方は、対策をすることでツラさを抑えることができます。
今回は、ランニング後にせきが出る原因とツラさを抑えるための方法についてお伝えしようと思います。
ランニング後にせきが出る原因
ランニング後にせきが出る原因は「気管の乾燥」です。気管には空気中の汚染物質やアレルギー物質から守る「粘膜」があります。しかし、冬場の乾いた空気を吸い込むことで気管が乾燥してしまいます。気管が乾燥した状態でさらに冷たく乾いた空気を吸い込むとそれが刺激となり気管が狭くなります。その結果、空気の通り道が狭くなり、せきが止まらなくなったり、息苦しくなってしまうのです。
それならば、ランナー全員がせき込むのではないかと思われますよね。当然体質の差もあります。しかし、発生原因を抑えられれば対策することができます。どうすればよいと思いますか?
乾いた空気を吸わなければよいのです。
とは言え、空気を吸わないなんてことは無理なので、乾きを遅らせ、吸い込む空気を減らせばよいのです。
1.ペースを抑える
ペースが速いと呼吸が荒くなりますよね。その分呼吸の回数が増えるので、気管を刺激する空気も増えます。そこで、まずはペースを抑えて呼吸数を抑える必要があります。
これは、せきを抑える方法というよりは、ランニングの始め方という点で改善したいポイントでもあります。呼吸が荒いということは、オーバーペースなのです。速いペースで走る事が走力をアップさせることに繋がると考えがちですが、一概にそうとは言えないのです。
速いペースで走る事で、心肺機能を高めることはできます。しかし、毛細血管を発達させ全身に酸素を供給したり、乳酸をエネルギーに変えたりする体質に変えるためにはゆっくりペースで走る必要があります。
また、ペースを抑えることで鼻呼吸だけで走る事ができます。鼻で呼吸することで、温かく湿度のある空気を気管に送ることができるので、気管の乾燥を防ぐことにも繋がります。
※ランニング時の呼吸は口呼吸でもよいです。口呼吸にすることで、交感神経が優位になり空気もよりたくさん取り込むことができるためです。ただし、それは速さや長さを求める場合で目的が異なります。今回は、気管の乾燥を防ぐという目的でお伝えしています。
2.酸素摂取量を増やす
1回の呼吸で取り込める酸素の量を増やすことができれば、同じペースで走ったとしても呼吸が荒くなりませんよね。「1.ペースを落とす」と同様に呼吸の回数を減らすことができます。
酸素摂取量を増やすためには、毛細血管を発達させる必要があります。これも「1.ペースを落とす」でお伝えしましたね。ゆっくりペースで走る事で、毛細血管が発達し体内に酸素を多く溜め込めるようになります。
「1.ペースを落とす」と「2.酸素摂取量を増やす」は相乗効果があるということです。ペースを落として走る事で酸素摂取量が増し、結果としてペースを上げても息が上がらないカラダになるのです。息が上がらなくなれば、空気を吸う回数も減り、せきが出にくくなるはずです。
3.ランニング前にお湯を飲む
ランニング前に一口お湯を摂取することで、直接乾燥を防ぐことができます。特に走り始めた直後はカラダが冷えているのでお湯を飲むことで温めることもできます。
この方法はあくまでも、乾燥を遅らせるという手段にすぎませんので、「1.ペースを落とす」と「2.酸素摂取量を増やす」ということが大切ではありますが、併用することで効果が出ます。
水分を持って走る事が可能な方であれば、こまめに水分補給をすることで乾燥を防ぐことができます。
最後に
ランニングは大変なところがあります。そんなランニングをこの寒い中でも続けているあなたは自分を向上させたいという気持ちが強い方だと思います。しかし、ツラくて苦しいだけのものであっては意味がありません。
楽しく安心して続けている中に大変さを乗り越えた達成感がなければ意味がないと思いますので、諦めてしまう前に、一度試してみてはいかがでしょうか。
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ラングリット | 静岡
自信回復ランニングプランナー
古畑 健太