ランニングにおける心拍(心肺)トレーニングとは?

メリットとやり方を解説!

練習をしていても自分の成長が分かりづらかったり、伸び悩んだりしている方もいるでしょう。心拍数を管理してランニングをすると、トレーニングの効率を上げられるかもしれません。ここではランニングにおける心拍トレーニングのメリットと、やり方について詳しく解説していきましょう。

1. 心拍トレーニングとは?メリットは何?

心拍トレーニングは自分の心拍数を測定して、その心拍測定値によって運動強度を決めるトレーニングです。心拍トレーニングの大きなメリットは、次の3つがあげられます。

1. 目的にあった運動強度が分かりやすい
2. 心肺機能が向上する
3. 筋肉や骨に余計な負担をかけないため怪我もしにくい

ランニングは走る人によってレースに出るのが目的だったり、ダイエットが目的だったりします。健康のためなどそれぞれ目的が違うでしょう。心拍トレーニングは自分の心拍数に合わせて、運動強度を調整しやすいのです。目標に向かって効率的にトレーニングができます。
そして練習するたびに心拍数を測るため、自分の成長が分かりやすいのです。モチベーションが保ちやすいのもメリットでしょう。たとえば一定の距離を同じペースで走っているのに、以前より心拍数が上がっていない場合もあります。心拍数160で息が上がっていたものの、練習を重ねるうちに同じ心拍数でも息が上がらないなどの、達成感を得られるでしょう。
また決められた心拍数でトレーニングをするため、トレーニングのし過ぎを防ぐ効果もあります。怪我をしにくいのも、心拍トレーニングにおける特徴です。

2. 心拍数の種類

心拍トレーニングでよく使う心拍数の種類として、安静時心拍数と最大心拍数の2種類があります。

2-1. 安静時心拍数

安静時心拍数はリラックスした状態の心拍数のことを指します。性別や体格、運動歴などでも異なるものの、毎分60〜80回ぐらいが一般的な値です。

2-2. 最大心拍数

最大心拍数はどれだけ心拍数を上げられるかという値です。計算式を用いることで簡単に求められます。計算式は「220-年齢」となっており、25歳の場合だと「220-25=195」となります。ただし計算式は大体の値の算出なので、正確に測りたい人はフィールドテストを行いましょう。
フィールドテストはしっかりウォームアップを行ったのちに、ランニングマシンやエアロバイクなどを用います。最大限自分を追い込むことで、最大心拍数を測るため、最も正確な値が分かるのです。

3. 心拍ゾーンに合わせた目的を設定しよう

自分の最大心拍数が分かったら自分の目的によって、目標とする心拍数を決めましょう。この目標とする心拍数を、心拍ゾーンといいます。各心拍ゾーンと目的は、次のようになっています。

1. 心拍ゾーン1は最大心拍数の0~40%で、健康維持や運動不足解消が期待できる
2. 心拍ゾーン2は最大心拍数の40~70%で、脂肪燃焼や心肺機能の強化が目的
3. 心拍ゾーン3は最大心拍数の70~80%で、最大酸素摂取量の向上が期待できる
4. 心拍ゾーン4は最大心拍数の80~90%で、筋力や基礎代謝が向上する
5. 心拍ゾーン5は最大心拍数の90~100%で、瞬発能力の向上が期待できる

これらの心拍ゾーンから、自分の目的にあった心拍ゾーンを選びましょう。心拍ゾーンに合わせて心拍数をコントロールすることで、効率的なランニングが可能になります。

4. 代表的な心拍トレーニング

心拍トレーニングは目的に応じてさまざまな練習があります。ここでは代表的な心拍トレーニングについて解説していきましょう。

4-1. 健康維持や運動不足の解消になるウォーキング

ウォーキングは健康によいイメージがあるでしょう。心拍数を測定しながら行うことで、さらに効果を上げられます。健康維持や運動不足の解消以外にも、最大心拍数は40〜60程度を目標に歩きましょう。脂肪燃焼効果も期待できます。

4-2. 毛細血管が拡張し、酸素供給量が増加するLSD

LSDは「Long Slow Distance」の略で、長い時間ゆっくり走るトレーニング方法となります。最大心拍数は60〜70%ほどに設定して走るものです。LSDは身体中の毛細血管を発達させて、全身に酸素が行き渡る身体づくりに役立ちます。強度が高くなると逆に毛細血管が収縮してしまうので、ゆっくりとしたペースを意識して走るのが大切です。

4-3. 酸素摂取量が増加するインターバルトレーニング

インターバルトレーニングは速いペースで一定距離走った後、ゆっくり走ることを何度も繰り返す練習方法です。最大心拍数は90%以上に設定される、かなり運動強度が高いトレーニングとなります。酸素摂取量の強化や乳酸活用能力の向上、脚力の強化などが期待できます。
酸素摂取量が上がることで、生み出せるエネルギー量が増えていくのです。長距離を速く走りたい方は、最大心拍数の高いトレーニングをするのがおすすめです。

5. まとめ

ランニングにおいて心拍数を管理することは、目的に応じた運動強度が分かりやすくなります。トレーニングの効率を上げやすいのです。また過剰なトレーニングを防げるので、怪我しにくいというメリットがあります。 さらにトレーニングの過程で、心拍数を強度の指標にできるのです。自身の成長が分かりやすく、達成感を感じやすいので、モチベーション管理にもぴったりでしょう。目標とする心拍数によってトレーニングの効果が変わります。自分に足りない部分を補強するイメージがしやすい、トレーニング方法といえるでしょう。

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