インターバル走やレペティションやペース走などを実施する際にタイム設定をしますよね。しかし、タイムを守りすぎるとランニングパフォーマンスが上がらないという落とし穴があります。その理由についてお伝えしようと思います。
タイムを守っているのになぜランニングパフォーマンスが上がらないのだと思いますか?
それは、タイムが速すぎるからです。
殆どの方が、速く走れるようになりたいと考えるので、設定タイムを速く設定してしまいがちです。そのため、自分のランニングパフォーマンス以上のペースで走るということになります。ランニングは有酸素運動の割合が多い運動なわけですが、設定タイムが速すぎると無酸素運動の割合が多いスプリントになってしまうのです。
タイム設定の仕方
では、どのようにタイム設定をしたらよいのかについてお伝えしようと思います。インターバル走やレペティションなどのランニングトレーニングを実施したことがないという方は、ご自身のベストタイムを基に算出します。算出には「Jack Daniels’ VDOT Running Calculator」というツールを使います。
こちらのツールを使うことで、インターバル走やレペティションに適したタイムを算出してくれます。しかし、これは実施したことが無いという方の初めの目安のタイムにすぎません。これをベースにして何度か実施したらタイムの見直しを行います。
というのは、算出時に使用したタイムが5kmの場合とフルマラソンの場合とでは結果が異なります。当然5kmの方がペースが速いので、算出されたタイムも速いタイムが出てくるからです。
何度か実施した結果、設定したタイムで続けるのが、「ツライ」「苦しい」「大変」などと感じ、次に実施するのが少し億劫だなと感じるのであれば、タイムが速すぎます。そんな時は、一度タイムを忘れて、フォームが崩れない一番速いペースで行ってみましょう。そして、毎回同じ力の入れ具合で行います。その記録を溜めていきます。そうすることで、自分に合った設定タイムが出てきますし、同じ力の入れ具合で行っているのにタイムが速くなってくれば、それはランニングパフォーマンスが上がっているということになります。
ランニングパフォーマンスの話しとは少しかけ離れますが、ペース走の場合は、タイムを見ずに自分の感覚だけで走る回数を増やすことで、ペース感覚が身に付きます。これは、レースの時にとても役に立ちます。
フルマラソンの場合は、常に平坦なわけではなく、上りがあったり下りがあったりします。そういう場面でタイムだけで走ると上りでは力を出しすぎ、下りでは力を抜きすぎてしまいます。ペース感覚が身に付いていると同じ力の出し方で走れるのでエコに走ることができ、エネルギーロスを減らすことに繋がります。
10km以下の短めのレースで誰かと競う場合、相手のペースに合わせてオーバーペースでついて行ってしまうと後半まで持ちません。5kmを走るのに10kmのペースで走り始めたのであれば遅すぎますが、1kmのペースで走り始めたのであれば速すぎます。5kmなら5kmをしっかり走り切れるペースで走り始めることが「はじめから飛ばしていく」ということになります。
ペース感覚が身に付いていれば、どのくらいの力を入れればいいのかわかります。自分がどのくらいの力を入れて走っているのかが把握できれば、相手のペースが速いけれど、ついていくのか、無理しないのかを判断することができます。ペース感覚が無いとタイムや相手のペースに惑わされてしまうのです。
最後に
ランニングのパフォーマンスアップのためには、有酸素運動能力以外の心肺機能やスピード持久力を向上させることも必要です。それを目的としていて速いタイム設定をしているのであれば問題ありません。
しかし、やはりメインとなる能力としては有酸素運動能力です。ですので、有酸素運動の割合が多い練習をする必要があります。ランニングパフォーマンスを上げるためには、そこまで速いペースで走る必要はないのです。むしろ、ダラダラと走ったほうが上がります。ここで言うダラダラとはフォームが崩れるという意味ではなく、ゆっくり走るということです。
タイム設定は必要です。しかし、あくまでもそれは目標であって目的ではありません。そこを間違えないようにして、「ツライ」「苦しい」「大変」にならないように楽しくランニングトレーニングを続けていきましょう。
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ラングリット | 静岡
自信回復ランニングプランナー
古畑 健太