ランニング初心者の中で10km完走を目標に日々練習されている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?そして、走れるようになってきたのでマラソン大会に挑戦してみようと考えてみたはいいものの、多くのマラソン大会には制限時間が設定されています。スタート時の混雑や給水などを考えると10km完走の目安は60分~70分になります。
そこで、今回はランニング初心者が無理することなく10kmを60分で走るためのコツについてお伝えしようと思います。
10kmを60分で走るためにやるべきこと
60分という時間を決めることは具体的な目標が設定されるので、モチベーションも高まりとてもいいことです。しかし、時間を決めたことで「速いペースで走らなければ」という思いが強くなりがちです。
では、速いペースで走る前にやるべきことは何だと思いますか?
それは、60分をしっかり走り切るということです。10kmを60分で走る場合、1km当たり6分で走る必要があります。6分ペースで7kmしか走れない方が常に6分ペースで走っていると、7kmしか走れません。時間としては42分です。この練習でも走力は付いていくかもしれません。しかし10kmを走るための、そして60分間動き続けるための「持久力」が身に付きません。また、その方にとっては常に強度が高い練習となり故障する原因にもなります。
そこでまずは、60分を始めから終わりまでペースを乱すことなく走り切ることから始めます。初めは8分ペース、距離にして7.5kmから始めましょう。短めの距離であれば6分で走れるようであれば8分ペースはそこまで大変ではないと思います。このくらいの強度で走り続けることで、毛細血管が発達していき、カラダの隅々まで血液を送ることができるようになります。血液は酸素を運搬するわけですから、全身に蓄積できる酸素も多くなります。
その結果、ペースを上げていっても息が切れなくなっていくはずです。ペースを上げるタイミングは、練習量や今までの運動歴などにより変わってきますので、始めたころに比べて呼吸が楽になったと感じたタイミングで1km当たり5秒~10秒ずつ上げてみてください。
当然ですが、ペースが7分30秒ペースになれば8km、7分ペースになれば8.5kmと60分間で走れる距離も伸びていきます。結果的にはペースが上がっているのですが、それは結果です。ポイントは60分を始めたころと同じ呼吸で行うということです。これが、しっかり走り切るということです。このペースで走っていれば、故障のリスクも抑えられます。故障することなく走り続けることができれば、脚力も自然と付いてきて更に故障しにくい足づくりができるようになります。
インターバルトレーニングの必要性
速く走るためのトレーニングとして、インターバルトレーニングがあります。「インターバル」とは二つの物事の間隔を意味していて、速いペースと遅いペースを組み合わせたトレーニングになります。心肺機能を高めスピードを維持する持久力を付けることを目的としています。ペースを速くするトレーニングではないのです。
10kmを60分で走るためには必須ではないと考えています。しかし、いつもペース走ばかりでバリエーションを増やしたい、いつもと違った刺激を入れてみたいと楽しみながら実施するのであれば実施してみてもよいかなと思います。
インターバルトレーニングには、ショート、ミドル、ロングと種類があります。1kmを6分ペースで走れるスピードがあるのであれば、1000mのミドルインターバルがオススメです。6分ペースのペース走では5km走るのがキツイという場合でも、間を200mジョグでつなぎ少し心拍数を落とすことで、6分ペースで5km続けて走るよりは余裕を持って走る事ができます。ポイントはこの余裕を持つということです。余裕を持って走る事により有酸素運動で走る割合が増えランニングパフォーマンスが向上します。
有酸素運動は呼吸と関係があります。
呼吸については、こちらの記事を参考にしてみてください。
ただし、繰り返しになりますが、持久力向上が目的であり、速度そのものを上げるトレーニングではありません。ご自身で走れる速さ以上を出そうとすることは故障の原因になりますので実施しないようにしてください。
最後に
今回は、ランニング初心者が10kmを60分で走るためのコツということでお話しをしてきました。が、ハーフマラソンを2時間半で走る場合も、フルマラソンを6時間で走る場合も考え方は同じです。まずは、その時間をしっかりと走り切れるペースで続けていき、徐々にペースを上げていくということです。
ただし、2時間半くらいであれば普段のトレーニングでも実施することができると思いますが、6時間となるとなかなか難しいですね。そういう場合は、インターバルトレーニング、レペティショントレーニング、心拍数トレーニングなどの少し強度の高いトレーニングで補う必要がでてきます。これらについては別の機会にお伝えしようと思います。
トレーニング方法はあくまでも補助的なものです。まずは、しっかりとしたフォームで走り続けるということを意識して無理の無い範囲で楽しく続けていきましょう。
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古畑 健太